監視カメラの映像や、弊社製品LiveLiNQ Evidenceからのパソコン画面を録画するには、ネットワークビデオレコーダー(NVR)と映像監視システム(ビデオマネジメントシステム・VMS)の二つの選択肢があります。
項目 | NVR | VMS |
形態 | ハードウェア | ソフトウェア |
対応できる規模 | 小規模 | 大規模 |
カスタマイズ性 | 基本的には不可 | 可能 |
お手軽に導入できるのは、NVRですが録画機器の台数が増えると対応が難しくなります。VMSであれば、録画台数が増えてもい対応可能ですが、高価になってしまいます。
導入が簡単なものとしては、VMSのクラウドサービスがあります。月に数百円から始められるものみあります。VMSのクラウドサービスとオンプレミスを比較すると下表となります。
項目 | クラウドサービス | オンプレミス |
初期費用 | 安価 | 高価 |
運用コスト | カメラ台数×月額利用料 に加えて、録画保存日数などで追加料金が発生 | システム維持の人件費が必要 |
録画容量 | 24時間×1カ月 カメラ1台で、5,000~10,000円程度 | ハードディスクに依存 |
セキュリティ | IDやパスワードの厳密な管理が大切 | 社外からのアクセスは制限容易 |
可用性 | 高い | 費用対効果を考慮して柔軟に対応可能 |
簡単に導入をするのであれば、クラウドサービス型のVMSがとてもお手軽です。特に、カメラ台数が少ない、モーション検知のみでよい場合、利用者がID/パスワードの管理がしっかりとできるのであれば、クラウドサービスの利用がよいと考えられます。逆にオンプレミスが良い場合には、以下の条件が考えられます。
- カメラ台数が多く、常時記録が必要
- 撮影する映像が外部に漏れても大きな影響がない
- 撮影する映像が外部に漏れると影響があるが、利用者のITリテラシーが高い
- 録画記録が補助的なもので、止まっても経営に影響が少ない
このような条件を考慮すると、製造業におけるライン・工程監視と品質のための記録の場合は、小規模であればNVR、台数が増えてくるとオンプレミスのVMSが適切と考えられます。
前置きが長くなりましたが、オンプレミスのMVSを比較的安価で導入できる方法として、オープンソースのVMSである「Zoneminder」があります。今回の記事は、そんなZoneminderをインストールしてみます。
インストールする環境
今回インストールした環境は、以下のとおりです。
- ubuntu 24.04 LTS
- (hyper-V上に構築したもの)
インストール作業
インストール作業は、以下のリンクの内容通りで問題なくインストールできました。作業は”端末”を使って行います。
https://zoneminder.readthedocs.io/en/latest/installationguide/ubuntu.html#ubuntu-22-04-jammy
1.システムを更新する
sudo apt-get update && sudo apt upgrade -y
2.オプションにはなっていましたが、Zoneminderチームが管理しているレポジトリを使います。
sudo apt install -y software-properties-common sudo add-apt-repository ppa:iconnor/zoneminder-1.36 sudo apt update
3.データベースをインストールします。私は、Mariadbを使いました。リンク先の手順では、”apt-get install mariab-server”になっていますが、正しくは、以下のとおりです。
apt-get install mariadb-server
4.Step 4: Configure the ZoneMinder Database は、2.の手順を行っていれば、不要なので飛ばします。
5.Zoneminderをインストールします。
sudo apt install -y zoneminder
6.WEBサーバー(Apache2)の設定を修正します。
sudo a2enmod rewrite headers cgi sudo a2enconf zoneminder sudo systemctl restart apache2
7.Zoneminderの自動起動を設定します。
sudo systemctl enable zoneminder sudo systemctl start zoneminder
8. サーバーにアクセスします。
WEBブラウザで、"http://localhost/zm"を開きます。初回は、プライバシーポリシーが表示されますので、最後まで読んで、”apply”ボタンを押します。
9.Zoneminderが起動します。
Zoneminderとは
- 自由に使えるソフトウェア(オープンソース)です。ライセンス料は不要です(寄付は歓迎)。
- データの管理を自分たちで行うことができます。機密情報が含まれる製造現場などでも安心して活用できます。
- ONVIF / RTSPなどの一般的なIPカメラが活用できます。
- Android / iOS に対応したビューアーが活用できます。
- AIを使った映像検知などの機能拡張が可能です。
ぜひ、ZoneminderとLiveLiNQ Evidenceを組み合わせて、効果的な映像セキュリティを構築してみてください。ITに詳しくなくても大丈夫。サポートが必要なかたは、以下のフォームからご連絡ください。
Zoneminder導入支援のご相談
Zoneminderをはじめ、NVR、LiveLiNQ Evidenceなどについて、お気軽にご相談ください。オンラインでの相談も可能です。
参考動画