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放生津・新湊の獅子舞マップ「Oh!Watcha」の実証実験結果

概要

富山県射水市の新湊・放生津地域は、古くから富山(越中国)の中心であり、今でも伝統文化が息づいた港町です。春の獅子舞、秋の曳山は象徴的な祭礼であり、町は活気づく期間となります。ここを拠点に活動する放生津課題対策DXチーム「魁」は、この祭りをより身近に誰でも楽しめるようデジタルを使った新しい楽しみ方として、獅子舞マップ「Oh!Watcha」を企画し、放生津八幡宮の春季祭礼に合わせて、実証実験を実施しました。今回は、その実証実験結果を報告させていただきます。

実証期間

令和7年5月10日(土)~5月15日(木)

ご協力いただいた獅子舞団体

荒屋東部, 三日曽根横町, 四十物町, 北長徳寺, 荒屋本町, 神保寺獅子方, 二の丸町, 奈呉町, 東新町, 桜町, 庄東, 西奈呉獅子舞保存会, 四日曽根獅子方連中, 倉屋敷町, 東町本町, 江柱町獅子方若連中, 獅子絵田 (順不同、敬称略)

システム構成

  • クラウドサーバー
    車両動態管理のオープンソースソフトウェア”Traccar”をベースに、放生津・新湊の獅子舞に特化したカスタマイズを弊社にて施しました。
  • 獅子舞位置収集(スマートフォン)
    獅子舞団体の方に、ご自身のスマートフォンに、位置情報配信アプリをインストールしていただきました。バッテリー消費、通信費などを考慮して、今回は600秒に1度、スマートフォンからクラウドサーバーへのデータ送信を行いました。
  • 位置情報閲覧
    一般の方は、スマートフォン、タブレットまたはパソコンで、特別なソフトウェアをインストールすることなく、閲覧可能としました。

システム構築・運用費用

費目

金額

備考

サーバー費

約2,000円

Conoha VPS 2GB / 3コア / 100GB

通信費

約20円(1台・1日あたり概算)

今回は獅子舞団体の方がご負担

上記に加えて、サーバー構築、インストール、ソフトウェアカスタマイズについては、弊社で実施しております。また、システム運用については、かえる合同会社さまにて実施しております。

位置精度

今回は、GPSで取得した獅子舞位置情報を5分周期で、クラウドサーバーへ送信しています。軌跡も表示すると下図のようになります。獅子舞が演舞している地域は、ほぼリアルタイムで知ることはできますが、ルートを表示する用途とすればもう少し位置情報収集頻度をあげるほうが良いと考えられます。

このことから、獅子舞であれば、5分間隔でも大きな問題はなさそうですが、曳山や神輿などであれば、もう少し更新頻度を短くするほうが、質の高いデータを提供できるものと考えられます。

アクセス状況

5月10日~5月15日の期間中、Oh!Watchaへのアクセスは、以下のアクセスがありました。

  • アクティブユーザー
    約1,400
  • 表示回数
    約13,000

アクセス地域

アクセスがあった地域をみると、ほぼ全てが日本からのアクセスでした。

都道府県別アクティブユーザー数

地域別にみても、ほぼ富山県からのアクセスが多いようです。東京、大阪、愛知の件数が多いのは、移動体通信のキャリアが影響しているものが考えられます。

都道府県

アクティブユーザー数

備考

富山県

581


東京都

440

通信キャリアの影響で、富山からのアクセスでも計上されていると思われる。

大阪府

203

通信キャリアの影響で、富山からのアクセスでも計上されていると思われる。

愛知県

189

通信キャリアの影響で、富山からのアクセスでも計上されていると思われる。

北海道

21


福岡県

19


市町村別アクティブユーザー数

市町村名

アクティブユーザー数

備考

射水市

334


大阪市

192

通信キャリアの影響で、富山からのアクセスでも計上されていると思われる。

名古屋市

174

通信キャリアの影響で、富山からのアクセスでも計上されていると思われる。

高岡市

128


富山市

104


渋谷区

52

通信キャリアの影響で、富山からのアクセスでも計上されていると思われる。

新宿区

26

通信キャリアの影響で、富山からのアクセスでも計上されていると思われる。

港区

17


デバイスカテゴリ別アクティブユーザー数

カテゴリ

アクティブユーザー数

備考

Mobile

1,309


Desktop

84


Tablet

12


オペレーティングシステム別アクティブユーザー数

OS

アクティブユーザー数

備考

iOS

943


Android

378


Windows

58


Macintosh

22


Linux

4


流入経路別獲得ユーザー数

カテゴリ

新規ユーザー数

備考

直接

826


外部サイト経由

290


SNS経由

272


検索サイト経由

21


次回に向けて

次回に向けて、放生津・新湊の獅子舞の認知度向上及び来場者数の増加を促すため、システムを改善・改造するポイントは以下の通りと考えています。

1. 位置情報のリアルタイム性の向上

送信間隔は、5分(600秒)間隔としました。これは、通信費とバッテリを考慮してのものでしたが、移動だけを行う場合、5分間で400m程度で移動することもあります。また、GPS即位で誤差がでた場合や通信エラーなどによる欠測を考慮すると、送信間隔はもう少し短いほうが良いと考えられます。

送信間隔を1/10とした場合、消費電力が倍程度増える可能性がありますが、モバイルバッテリーなどを利用すれば、対応は可能と考えます。

2. 位置情報の活用

Oh!Watchaは、位置情報を活用したアプリケーションです。大半の利用者は、スマートフォンを利用してアクセスしています。この特性を利用した機能として、以下の機能追加を計画しています。

  • ナビゲーション機能
    獅子舞に向けてのナビゲーションを起動し、閲覧者を獅子舞会場まで誘導する
  • 位置発信機能
    獅子舞位置を自身が撮影した動画、画像とともにSNS等へ発信する、発信した獅子舞、地域などを利用した複合型のスタンプなどの導入

3. コンテンツの充実

今回の新規ユーザー獲得の多くは、「直接」の流入でした。これは、放生津八幡宮などに掲示したQRコードや口コミによるQRコードの拡散によるアクセスが多かったものと考えられます。

Oh!Watchaのサイトは、獅子舞期間中の限定サイトであることから、WEB検索などによるアクセスはほとんどありませんでした。今後は、常設またはイベントの3か月前程度にはサイトを公開することが望ましいと考えます。その際は、アクセスするに充分なコンテンツが必要となります。コンテンツの例としては、以下のものが考えられます。

  • タイムリーな情報提供
    開催にあわせたスケジュール・イベントなどの新鮮な情報
  • 獅子舞の伝統・本質を伝える情報
    地域の風土、文化、歴史などが分かる祭りの土台など本質的な情報
  • 獅子舞を秒で伝えるコンテンツ
    発信したい魅力が瞬時に伝わるコンテンツ

本システムのPR活動

以下のメディア・WEBサイト等で掲載頂きました。

  • 北日本新聞, 北陸中日新聞
  • Google ニュース, Start Home, 徳島新聞, インターネットコム, 宮崎日日新聞, exciteニュース, CNET Japan, ZDNet Japan, SEOTOOLS, プレみや, @niftyニュース, とれまがNews, マピオンニュース

本プロジェクト実施団体

運営団体

企画支援

WEB/スマートフォンナビゲーション機能実装支援

  • 株式会社EvoLiNQ

本件についてのお問い合わせは、こちらから